飯沼和三先生 講演会

イベント報告

 5月23日(木) 飯沼先生の講演会が鎌足公民館にて行われました。今回の講演は先生自ら”木更津に行きます”と仰って下さり、実現しました。まったくの御好意です。先生は何度も木更津にいらして下さり、たくさんのダウン症児を育てている人達に希望を与えて下さいました。今回の資料も前日遅くまで作成して下さり、本当にありがたく感謝申し上げます。

 午前中の講演の後、”なごみの里”にて昼食を共にし、0歳から成人まで様々な悩みを抱えているお母さん達に寄り添って下さる真摯で誠実なお人柄に感銘を覚えました。

 4か月先まで予約が決まっている先生が、このように接して下さったありがたさを忘れてはいけないと思いました。先生のご専門はダウン症ですが、講義は幅広く障がいのみならず、人としての矜持をお示し下さいました。

講義の概要を記します。

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 ”ダウン症と知能の発達” を主軸にその内容は私達に ”障がいとは何か” ”どう捉えるか” ”何が大切か” を広い知識と深い想いで教示して下さいました。

 遺伝子決定論の世界とは、遺伝子が不変なら症状でも不変の法則で生まれる → ダウン症と生まれたからには、必ず知能障がい、言葉の発達の遅れ、社会的行動の障がいが一生付きまとうと決定されている - 本当にそうだろうか。

 こどもの養育を理解することが大切。養育を理論的に支援するのが療育。療育とは医療と教育の合成語。知能の発達は胎児期から始まっている。生まれたとたんに新しい環境に学ぶ赤ちゃん - 環境がとても大切

 養育は 経験 により体系化される。個人差が大きく数式化できない。価値観に左右される。では何を養育の目標とするのか。それは 人間性を育てる こと。人間性、あたり前の人間として育てる。 ダウン症児を障がい児と決めつけない 。ダウン症のみならず、障がいを伴った子ども達、そして大人が今一度想いをめぐらすこと。

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 心に響きました。本当に濃密な時を与えていただき、先生ありがとうございました。参加して下さったお母さん達もとても満足していました。市や保育園の先生方もたくさん参加して下さいました。皆様、ありがとうございました。

 今回、ひまわりの会 会長の中島さんと、市の元保健師 山野寺さんに多大なご協力をいただき、ありがとうございました。

 そして、何より朝早くから夕方ギリギリまでがんばって下さった飯沼先生、ありがとうございました。(文責 込山)

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飯沼和三(いいぬま・かずぞう)先生 略歴

1944年 広島市に生まれる
1970年 東京大学医学部卒業
1972年 国立遺伝学研究所文部教官
1976年 静岡県立こども病院医長
1984年 南アラバマ大学臨床遺伝学科准教授
1985年 国立小児医療研究センター室長
1994年 愛児クリニック院長 現在に至る
主要著書 『ダウン症は病気じゃない』(大月書店)、『ダウン症の療育相談』(大月書店)、『先天異常を理解する』(共著、日本評論社)、『隠れた天使』(翻訳、同成社)、『ダウン症の性教育』(監訳、同成社)ほか

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Children learn what they live.
環境次第で知能の発達が左右される。

         Dorothy Nolte さんの詩 1954年

 

~子どもが育つ魔法の言葉~ ドロシー・ロー・ノールト

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる。
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる。
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる。
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる。
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる。
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を人を羨むようになる。
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう。
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる。
広い心で接すれば、キレる子にはならない。
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ。
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ。
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる。
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる。
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ。
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る。
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ。
やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもはやさしい子に育つ。
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ。
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる。

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