なりたち
当時、駅を挟んで西側には大きな支援センターがありましたが、東側にはありませんでした。「ちょっと預かってくれる所がほしい」「ほっとできる居場所があったら」というお母さん達の声を形にしたのが、平成15年5月に発足した民間児童館「子ども館ゆめのたまご」です。
少子化が叫ばれて久しく、未来を生きる子ども達が健やかに育つためには、地域の人がともに携わる必要を感じていました。そして、子育てを家族だけに背負わせるのではなく、地域の中で子どもたちが豊かに育つ居場所をつくろうという趣旨のもと、午前中は乳幼児を持つお母さん達のふれあいの場に、午後は児童の憩いの場にすることとし、「子育て支援」から「子どもと大人の共育ち」を目指しました。
あゆみ
子育て中のお母さん達の憩いの場として、ゆったりと過ごせる、楽しい母と子の笑い声に満ちた場としてはじまりました。その中からサークルが生まれ、定期的に集まって、料理を作ったり、情報交換したりなど、実りのある活動が展開されていきました。ゆめたま講座では、文化・食・医療など、その道のスペシャリストの方々が講師となって教えて下さいました。お母さんたちの自主的な取り組みを、たくさんの方々が手弁当で協力をしてくださいました。
当初はお弁当持参でしたが、一時預かりも徐々に増えてきた頃、「いつも同じ冷凍食品なので、せめて温かいみそ汁くらい作りましょう」と始めて以来、昼食やおやつも手作りすることとなりました。ダシをきちんと取って、野菜中心の昔ながらの食生活です。離乳食も子どもに合わせて作っています。何かあると栄養士のアドバイスをいただけるのが心強いです。
児童館利用としては数名ながら、毎日通ってくれた子達、時々やってくる子達、学童の子達と増加してきました。夏休みともなれば、あふれる程の子ども達と生活を共にしました。赤ちゃんにミルクを飲ませてくれたり、オムツを替えてくれたり、食事の介助をしてくれたり、大きい子が小さい子を可愛がる光景はなかなか良いものです。長い休みには、竹トンボ、和紙で作った凧、布ぞうり、キャンプ、ハンドベルなど、たくさんの応援団の大人たちが知恵や文化を授けて下さっています。
親子利用、児童館利用、学童保育の小学生、一時保育と、年々利用者は増加傾向にありましたが、なかでも障がい児の居場所として利用して下さることが、とても多くなりました。
しばらくすると、障害のある子が、保育園に入園できないと保護者からの相談を受けました。そして、行政からの要望もありました。スタッフは全員が有資格者で障害保育経験者ということも幸いでした。すでに児童デイをやっている人から”ゆめたまやるべし”と言われました。
そして、平成24年に児童発達支援・放課後デイサービスの障害福祉サービス事業所として、千葉県より指定を受けました。
「ありがとう」「おかげさま」「お互い様」があふれる子ども館ゆめのたまごの存在は小さくてもいい、笑顔があふれる居場所として、これからもあり続けたいものです。障害のある人も、そうでない人も、誰もがありのままにその人らしく安心して暮らせる地域社会をみんなでつくりましょう。